4. これからのマニュアル作り
マニュアルはなくなるのか
最近の情報機器や情報家電では,製品自体にマニュアルの機能をもたせることが進んでいます.いわゆる,オンラインヘルプやGUI(グラフィカルユーザインタフェース)がそれです.しかし,これらがあるから印刷物のマニュアルが不要かと言えばまだそうはならないと思います.必要なオンラインヘルプに行き着くまでにずいぶん手間がかかったり,GUIを使うためのマニュアルや必要であったりするのが現状です.印刷物のマニュアルにしろオンラインヘルプやGUIにしろ,ユーザの立場(=ユーザ指向)で作られなければ意味がありません.
パソコンのソフトウェアの中には,その指示に従っていくだけで必要な設定ができるというスタイルのヘルプ機能を備えるものがが増えてきました.しかしその指示に出てくる文章のわかりにくさに閉口することがあります.そのソフトウェア固有の機能名称なのにそれについては何も解説せず「知っていてあたりまえ,わからなければオンラインヘルプを見なさい」と言わんがばかりのものまであります.製品自体にマニュアルの機能をもたせるのは一つの流れですがユーザにとって真に使いやすい(みせかけのやさしさだけではなく)ものに洗練していく必要があります.
一方で,「
新製品はマニュアルを作成してから設計する
」という言葉が度々聞かれるようになりました.つまり「ユーザが使う状況をまず想定し,それに必要なマニュアルと製品を作る」という考え方です.これは,ユーザ指向の製品開発がいかに重要で,従来は製品の付属物であったマニュアルが,いまでは重要なユーザインタフェースであることを端的に表しています.かつてはどの製品も機能・性能本位でした.しかし,市場が成熟しユーザがより高いサービスを求める現在では,マニュアルを含めた製品の質こそ商品競争力につながることと思われます.
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