3. 書き始める前に体裁を決める
3-1 ページ体裁を先に決める
目次ができ、ラフ(手書きのごくおおまかな下書き)も作りました。ではワープロを打ち始めるというとその前にまだすることがあります。それは全体の仕上りのイメージをもつことです。
1ページが基本
あなた自身が本を読んでいるつもりになってください。一度に目に入るのは1ページあるいは見開き2ページです。この時にあなたは文書のどこを見ているでしょうか。
人はその時に目で追っている部分に神経の多くを注いでいますが、同時に、無意識の内に次に読もうとする部分やさっき読んだ箇所、ページ全体にも目を行き届かせています。つまり、ページ全体を見ているあるいは「意識している、認識している」といっていいでしょう。
その意味でページの体裁は重要です。裏返して言えば書く側はこれをうまく利用すると読者が理解しやすい文書を作ることができるのです。実は出版社の編集者達はこのテクニックを実に効果的に使っているのです。それも読者にはあまり意識させずに。
判型は何にするか
すでに判型が決められている場合はそれに従いましょう。
自分で決める場合は、基本的にはA4版の横書き・縦綴じで作成しましょう。
1ページの余白をどうするか
書籍でも雑誌でもページには必ず余白があります。この余白は、大きすぎてもいけません。各種の参考事例の中から適当なものをみつけてください。
注意
綴じる側の余白を少し多めにしましょう。
本文文字の大きさと行間の選び方
ページは基本的に見出しと本文で構成されます。基本は本文ですので、まずこの本文文字の大きさを決めます。
ワープロの文書では、文字の大きさとして10.5ポイントがよく使用されています。これは、10.5ポイントがデフォルト(初期設定)であるため、これをそのまま使用しているためと考えられます。10.5ポイントは、A4判程度の文書の本文文字にはやや大きいのではないかと思います。通常の文字では9ポイントあるいは10ポイントで十分でしょう。
知識
ポイントとは活字の大きさの表記方法の一つです。1ポイント=1/72インチ(1インチ=約25.4mmとして、1ポイント=約0.35mmです)
1ページに何文字いれるか
1ページに何文字はいるかは、文字の大きさ、行間と余白でほぼ決まります。1ページに何文字はいるかが重要なのではなく、読みやすい文字の大きさ、読みやすい行間、読みやすい左右字詰めを選ぶことです。
行間は本文文字ポイントの約60〜80%が適当です。できるだけ80%を推奨します。本文文字が10ポイントならば行間は8ポイントということになります。
左右の文字の字詰めは読み手の視野に無理なく入る範囲が適当です。またあまり少なすぎても折り返しが多くなるだけです。経験的に左右35〜40字程度が適当でしょう。
縦組みか横組みか
日本語の文書の作成しかたには、縦組みと横組みがあります。図や表を入れることを考慮すると横書きが適当です。
本文書体の選び方
ほとんどのワープロにも明朝体とゴシック体が用意されていますし、極太体や隷書体のような特徴のある書体も簡単に使えるようになりました。本文書体は読者が一番多く目にする書体ですから見て疲れない書体が適当です。その意味で本文には明朝体を使用することを推奨します。
注意
しばしば、本文にゴシック体を使用する例をみかけます。ゴシック体は強い印象を与える書体なので、一部を強調するには適当ですが、文書全体をゴシック体にすると読み手が疲れてしまうのと、どこが重要なのかめりはりがなくなり読みあきてしまうことがあります。
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