テクニカルライティングの応用
電子マニュアルの考え方とタブレット端末で読める電子版図解マニュアルの作り方

見出し構成セクション構成の考え方

   

PCに比べ画面が狭いタブレット端末で閲覧する電子マニュアルの場合、不要に見出しを細分せず見出しランクを2階層(章−節)に抑えるのが適当です。見出しを細分すると、「目次が複雑になり、必要な項目を見つけづらい」あるいは「セクションが長くなり、理解に負担がかかりやすい」などの弊害を生じます。


見出し構成の考え方

見出しの細分(階層化)を避けることにより、利用者は1ないし2操作で必要なセクションにたどりつけます(言い換えれば「アクセスルート」が短くなります)。

見出しランクを2階層に抑えるには、節見出しの下位に並列な項見出しを置かず、「項見出しの解説が長い場合は、それぞれを節見出しにする」あるいは「項見出しの解説が短い場合は、表形式で表す」手法が有効です。

「電子文書ならばキーワード検索を使えるではないか」とのご指摘もあるかもしれません。ただ、電子マニュアルでの検索機能は印刷文書の用語索引の位置付けにとどめ、目次の代替とはしないのが適当と言えます。むしろ、検索機能に依存しない「見出し名と見出しの関係が“見えざるガイド”となって利用者を適切に誘導する見出し構成」が求められます。


セクション構成の考え方

前項で述べたように、セクション内(章−節構成では節ランクに相当)では見出しを細分しないのが適当です。前項で述べた手法に加え「セクションの概要あるいは手順に先立つ条件・注意は見出しに続く導入段落の扱い」とすると見出しを細分せずにすみます。

1セクションが複数ページで構成される場合、ページの関係性(セクションの最初-途中-最後)を明確にする必要があります。セクションの見出し(先頭ページ)を強調し、以降のページは見出しをヘッダ(余白への補足的な見出しの表記)扱いとするのが適当です。


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