執筆の知識
用字用語の選び方と用例


同音類義語の例

   

実務文書で用いる可能性がある同音類義語には、数多くの例があります。とりわけ、片方の語が一般的なのに対し、他方が特別な意味をもって用いる語である場合があります(例:表記⇔標記)。

 掲載した事例に関する付帯事項

  • 当ページで取り上げた用例は、技術文書をはじめとする実用文書でよく使われる表現からの抜粋です。

  • 当ページで取り上げた 用例は、複数の用字用語辞典を参考にしています。用字用語辞典で許容(複数の表記のいずれを用いてもよい)されている用例の場合は 、複数をそのまま掲載するあるいは各種の出版物の傾向および慣用例を勘案して筆者が判断しています。


 
ひらがな書き
漢字書き
備 考
かいてい
改訂
修正(誤りを改める)
改定
改正(決まりを変える)
かいとう
回答
質問に対する返事
解答
問題に対する答え
かいほう
開放
開け放す
解放
自由にする
かてい
過程
経過、進行の段階
課程
教育、研修の程度、順序
かねつ
加熱
熱を加える
過熱
熱しすぎる
きじゅん
基準
判断の基礎となる標準
規準
判断や行動の手本
けいたい
形態
ありさま
形体
形状
さいしょう
最小
もっとも小さい
最少
もっとも少ない
さくせい
作成
書類や文章を作る場合
作製
機械や道具を使って物や図面を作る(製作)
しんどう
振動
機械がふれ動く
震動
建物などが震える
せいけい
成形
形をつくる
成型
型にはめて形を作る
整形
形を正しく整える
せいさく
製作
手や道具を使って品物を作る
制作
芸術(絵画、彫刻など)、映画、演劇、放送
たいしょう
対象
目標
対称
つりあう
対照
比べ合わせる
たいしん
耐震
震動に耐える
対震
震動に備える
ていい
低位
低い位置
定位
一定の位置
ていおん
低温
低い温度
定温
一定の温度
ひょうき
表記
書き表す
標記
文書の表題などを示す
ひょうじ
表示
はっきり示すこと
標示
目印
へいき
併記
書き添える
並記
並べて書く
へいこう
並行
並んで行く、同時に行う
平行
交わらない
平衡
つりあう
ほそく
補足
補うこと
補則
規則の追加
ようけん
用件
用事
要件
必要な条件

 


参考および引用文献

野村雅昭 編:「東京堂 用字用語辞典」、東京堂出版、1981
国語審議会漢字部会:「異字同訓」の漢字の用法、第80回国語審議会総会、1972
北原保雄、鳥飼浩二編:同音語同訓語の使い分け辞典、東京堂、1995
阿久根末忠:活用自在同訓異字辞典、柏書房、1994
中沢希男編:同字同訓辞典、東京堂出版、1980


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