先の「構図」に関するのセクションでも述べましたが、見やすい図とは“視線がまどわない”図とも言えます。図要素が多い図であっても、いくつかの図要素に“まとまり”があれば、さほど複雑な図には見えません。 |
図要素が多くなる場合は、いくつかをグループ化(囲み、影付けなど)すると整理されて目に映ります。とりわけ、図要素になんらかの共通性がある場合に有効です。たとえば、10ある図要素を三つのグループに分類すれば、グループごとに視線が誘導されます。
ここで言う「図要素が多い」とする目安は、10以上です。人の習慣を考慮しても、10は“手に余る”数です。いかに正確に表現された図であっても人の認知に負担を与える図では理解につながりません。
グループに命名すると、さらに効果的です。段落の文中にグループ名を引用でき、段落と図との対応がよくなります。
たとえば、主文で「本パッケージは、(グループA)、(グループB)および(グループC)で構成されています」とし、さらにグループ間の関係あるいはグループの位置付けを補足すれば段落が構成されます。図を示し、次の項目で各グループを解説すると効果的です。
複数の「静的な構図」もしくは「動的な構図」を組み合わせて論理・概念を図解化する際、グループ化と命名の手法で図要素をまとめると効果的です。
また、図解であっても、その要点を述べる段落が必要です。段落で図解の要点を述べておけば、図解によって「要点の先」を示せます。読者は図要素あるいは矢印を目で追うことによって、要点を検証するとともにさらに理解を深めます。
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