
3. 書き始める前に体裁を決める
3-4 さあ書き始めましょう
目次にそって、段落を基本単位にして書く
せっかく目次を作ったのですから、目次にそって全体構成を考えながら書きましょう。しかし、目次は章、節、項の各見出しまでしか考えていませんから具体的な内容となると漠然としてて書きにくいものです。
そこで「段落」を文章の基本単位にして書くとよいでしょう。段落とは「長い文章をいくつかの部分に分けた、その一区切りのことであり、文章において要点を述べる基本単位ともいえる」ものです。
小見出し+1段落を基本にする(原則は1段落=1要点)
この段落を基本単位として文章を簡潔にまとめていくとわかりやすい文書を作ることができます。その原則は、1段落で述べる要点を一つに絞り、あまり内容を広げないことです。
一つの段落にその要点を端的に表す小見出し付けます。この小見出しは項見出しの下のランクと考えてください。見出し番号はとくにつける必要はありません。
段落は短めに(1段落は150〜200字程度)
段落は、長くならないように、かつ複雑にしないようにすることが肝要です。一つの段落は二つか三つの文章で構成するとよいでしょう。
経験的に1文を50字程度とし、これが3文で150字の段落を構成するような文章が読みやすいようです。1文を50字程度にするのに文字を数える必要はありません。1行を40字程度に設定してあるならば、1行と1/4から1/3行程度を目安にして、文章が長くなりかけたら2文に分けるくらいのつもりの方がよいでしょう。
小見出し後の最初の文章が大切
見出しを受けた段落の最初の文章が、その段落の結論(あるいは主題)のつもりで書いてください。そして、この文章に続く第2文、第3文は最初の文章をフォローする文章だと考えるとわかりやすい段落になります。
最初の文章で何か定義したり、結論を述べたりしたら、それに続けて、読者が「なぜ」「どうして」と思うことを書けばいいのです。読者が疑問に思うことについて説明せず、話を先に進めてしまうと読者はついてこれません。
また、主題がなかなか出てこなくて、ついには主題が解説されないうちにその段落が終わってしまうような文書をみかけますが、これは一番悪い例です。犯人を最後まで隠す推理小説を書くのならば話は異なりますが、実用文ではまず最初に結論(主題)ありきです。
次ページに進む(ボタンをクリックしてください)
わかりやすいマニュアル作成のための実践テクニカルライティングセミナー
Copyright:Takaaki-YAMANOUCHI/1995-2003
山之内孝明/(有)山之内総合研究所
Takaaki Yamanouchi/ Yamanouchi Research Institute,Ltd.