シナリオ構成の考え方
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しばしば、導入部で社会情勢や技術動向をいくつもグラフで示した前置きの長いシナリオ構成のプレゼンに遭遇します。最初に目次を示されたとしても、何を「プレゼンの到達点」しようとしているのかが長い前置きの中で曖昧になっている例があります。
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「解決策」を序盤に置いたシナリオ構成
製品あるいはサービスを提案する際には、プレゼンをいくつかのセクションに区切る「複数部構成」が一般的です。複数部構成により、各部でのテーマと結論が明確になる
とともに区切りごとに聴き手の集中力が復活する利点があります。ただし、複数部構成にしても各部のテーマと結論が曖昧な構成では聴き手の関心をそいでしまう可能性があります。
複数部構成にする際のポイントは、第1部の序盤あるいは中盤で「課題に対する解決策」を明確に述べ、第1部の中で「解決策=提案(製品・サービス)」まで示すことです。プレゼンの序盤は聴き手がもっとも集中している時間帯です。その時間帯に「あなたの課題をこれで、その解決策はこれです。私たちが提案する商品がまさしくそれです」まで到達しておくことです。
[当社出張開催形式セミナー「テクニカルプレゼンテーションの手法」から抜粋]
陥りやすいシナリオ構成−序盤に解決策がないシナリオ構成−
ところが、冒頭で述べたように「第1部」を“長い”前置きにしてしまった事例をしばしば見かけます。ありがちなのは第1部でテーマを広げすぎて「社会情勢」や「開発の経緯」など“漠然とした課題”を枚数をかけて述べている事例です。「第1部を長くしすぎる」あるいは「第1部に明確な提案と解決策がない」と、聴き手には「情勢・動向は知っている。自分たちの課題にいつ解決策を示してくれるのか」とフラストレーションがつのります。
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