

「改訂」とそのメリット
「改訂」の目的とメリット
先に述べた「追補」が基本的に内容の追加をあまり手間をかけることなく行う手法であったのに対し、「改訂」は部分的な追加・変更や全体的な追加・変更にかかわらず、旧版を修正し印刷物とする場合は「刷版」を作り直す方法です。
当然のことながら、「改訂」には手間と費用がかかります。旧版をどの程度活用できるかにもよりますが小さな修正でも全体に影響して思わぬコスト高になる場合があります。
しかし、「改訂」の最大のメリットは、変更(入れ替えや修正)に対応できることです。改訂版を発行することで読者(ユーザ)に最新の情報をもっとも見やすい形で提供することができます。
改訂の際の注意
改訂の際に注意しなければならないことが2点あります。
一つには、読者(ユーザ)の手元にある旧版を破棄(あるいは回収)することです。読者の手元に旧版と改訂版が混在することを極力避けなければなりません。
2番目の注意点は、どこが改訂されたか読者が判読できる工夫(序文、注記)が必要ということです。旧版とどこがどのように変わったのか具体的に知りたいと思う読者がいるかもしれません。とりわけマニュアルでは、システムの一部が新しくなることにより、従来の取扱い方がどのようにかわり何に注意しなければならないを知ることが重要な場合があります。
改訂の進め方-改訂原本を作る-
改訂を行うは、まず「改訂原本」を作ることです。この改訂原本を作ってから修正作業に進むべきです。
「改訂原本」とは、原稿の版に改訂すべき内容を書きこんだり追加をとじ込んだりしたものです。印刷出版物の場合には、製本されたものを分解して使うことがあります。
改訂原本では、原稿の版に対してどこをどのように修正するのかが誰にも明確にわかるようにすることが重要です。したがって、削除する箇所だからといってそのページを廃棄してはいけません。赤で斜線を引くなどして明確に削除であることを示すとともに、見出し番号を送るあるいは別項目に入れ替えるなどの処理を明記しておきます。
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