原稿執筆後の基本製作プロセス


原稿が完成した後が重要

原稿執筆が終わっただけでは文書が完成したとはいえません。原稿執筆が終わった後の工程も大切です。マニュアルのように第三者(ユーザやクライアント)に読んでもうらうための文書作りでは出版物としての完成度も重要です。

たまに「編集や製作のことはそれぞれの担当あるいは製作会社にまかせておけばよい」と言って工程の管理すらしない人もいますが、それには同意できません。


原稿執筆後の基本製作プロセス

正確なマニュアルを作るには、正しい校正の方法を知っておかなければなりません。出版物(印刷物、ディジタル文書を問わず)の製作プロセスは執筆者と製作担当者との共同作業が一般的です。

短期間でマニュアルを作らなければならないのならば、なおさら製作担当者に執筆者の意図が正しく伝わるような指示を出すことができなければなりません。「製作工程の管理」の観点からも、まず原稿執筆後の「基本製作プロセス」を理解してほしいと思います。ここで大切なことは原稿の完成から校正が進むにつれて出版物としての完成が確実に進む(収束する)ことです。

製作プロセス
内容
原稿調整
原稿の執筆が終わった後に、執筆者の視点と読者の視点で原稿を読み直してチェックする
  • 目次や執筆要領と照らすとともに、不統一やもれ、内容上の誤り、不適切な表現をチェックする
  • 「製品についてはよく知らない」、「このような場合にはどのような使い方をすればよいのか」というユーザの気持ちになってチェックしてみる
原稿指定
「執筆内容をどのようにページに表現するか」を原稿上に簡便に記入して製作担当者に指示する
初校校正
原稿内容および原稿指定が校正刷に正しく反映されているかを確認する
  • 原稿と初校とを照らし合わせ、赤字で修正を記入する
再校校正

素読み
赤字が入った初校とこれを修正した再校とを照らし合わせて、初校が正しく修正されているかを確認する
  • 初校と再校と照らし合わせ、赤字で修正を記入する
あわせて「素読み」をする
  • 出版物としての体裁を確認する(例:見出しなどの書式、見出し番号、図・表番号など各種の番号の通り、目次、索引のページ番号と本文との対応、など)
  • 読者や発行者に影響を与えるような重大な誤りがないか確認する
念校(3校)
再校を修正した3校を確認する
責 了
製作担当者に校正が完了したことを伝える(責任校了の略で「校了」ともよぶ)


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