

解説付き抜粋 その5
校正のプロセス
校正とは
原稿を製作担当者(たとえばDTPオペレータ)に渡すと、これをあらかじめ決めておいたスタイルに基づいてページレイアウトしてくれます。このページレイアウトしたものを校正刷といいます(略して「校正」ともよびます)。
「校正」という用語の定義にはさまざまなものがあるかもしれまんが、この校正刷と原稿を照らし合わせて修正すべき点を校正刷に赤字で記入する作業(赤字入れ)と、さらにこれを修正したものと赤字を入れた校正を照らし合わせて確認する作業(赤字合わせ)の両方を併せて「校正」とよびたいと思います(校正刷と混同する呼び方ですが実務現場での使い方のためそのまま使用します)。
校正のプロセス
「プロの編集者の校正」は基本に忠実なだけ
「校正」という言葉は多くの人に知られていますし、ビジネスの現場でも「このワープロを校正しておいて」などと使います。しかし、本当に基本を守った校正の様子をあまり見かけることがありません。「校正」とは誰もが知っているがようであり、意外と正確に知られていない作業です。
では、プロの編集者(あるいは校正者)はどのような校正をしているのでしょうか。プロの編集者には、「原稿や初校など編集の初期段階で誤字誤植やその他の問題点を徹底して直す習慣」があります。すなわち、工程が進むにつれて誤りが少なくなる「収束型」です。これに対して、一般の人は最終校正まで新たな修正を入れようする「発散型」です。
プロの編集者が、けして特別な校正能力をもっているとは思いません。プロの編集者は基本に忠実であり、誤りを発生させない編集プロセスを経験的に知っているのだと思います。
次ページに進む(ボタンをクリックしてください)
Copyright:Takaaki-YAMANOUCHI/1995-2002
山之内孝明/(有)山之内総合研究所
Takaaki Yamanouchi/ Yamanouchi Research Institute,Ltd.