1. わかりやすいマニュアルを作るには
1-2 時間とコストをかけることなく良質のマニュアルを作るには
テクニカルライティングという手法を使う
開発・製品化の期間や原価に大きな影響を与えるほどマニュアルに時間とコストをかけなければならないと主張するのではありません.
時間とコストをかけることなく良質のマニュアルを作るには,知恵(文書作りのノウハウ・手法)を使う
ことです.
テクニカルライティング
こそマニュアルを始めとした実用文書作りのノウハウです.
テクニカルライティングをあらためて定義すると
テクニカルライティング
とは,
技術的な内容を,読者対象や目的に応じて,わかりやすく正確に表現することを目的とした文書作成手法
のことを言います.
テクニカルライティングには,単に文章を書く手法にとどまらず,全体の内容・構成を検討する方法や図・表によるビジュアルな表現方法も含まれています.
製品の機能・性能を上げつつ,コストや開発期間を短縮できるのは,積み上げられたノウハウがあり,その上で技術者が知恵を絞るからできるのです.マニュアル作りも同じことです.テクニカルライティングは,マニュアルを読者にとってわかりやすく使いやすいものにするとともに,製作工程を効率化してくれます.
テクニカルライティングの手法の多くは,出版の世界で発達した編集者のテクニックの応用ともいえます.本の出版は,時間的にもコスト面でも非常に厳しい制約の中にあります.また,他社からの出版されている同じようなテーマの類書と競い合い,書店で読者の手に取ってもらいお金を払って買ってもらわなければなりません.
そのために編集者は,読者に理解してもらうこと=読者指向になるために理論と経験に裏付けされたさまざまな手法を駆使しています.パソコンのアプリケーションソフトに付属するマニュアルより市販の解説書が読者に支持されるのはこの理由によるものと言ってよいでしょう.
「時間とコストをかけることなく良質のマニュアルを作ること」は可能です.
テクニカルライティングを理解しマニュアルを作成するプロセスを見直せばよい
のです.それは品質管理の分野で,TQC(Total Quality Control:全社的品質管理)を導入するようなものです.マニュアルに形だけのやさしさや見栄えのよさを取り入れても意味がありません.
次ページに進む(ボタンをクリックしてください)
序説 テクニカルライティングとは
Copyright:Takaaki-YAMANOUCHI/1995-2001
山之内孝明/(有)山之内総合研究所
Takaaki Yamanouchi/ Yamanouchi Research Institute,Ltd.