

曖昧表現のチェック
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曖昧にとられる表現(以下、曖昧表現)は、読者の疑問につながります。疑問をいだいたままでは、理解を損ないます。技術文書でありがちな曖昧表現を整理しておくと見直しに有効です。
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技術文書で陥りやすい曖昧表現の分類
ここでの「曖昧」表現とは主体、対象あるいは時間・位置・程度を明示的に表さない表現を指します。適切な補足をせずに相対的な語(例:新しい)で対象を修飾する表現も曖昧表現に含みます。
曖昧表現の一例−曖昧な時・時間−
マニュアルで時(時間的な位置)あるいは時間を曖昧にすると、読者の疑問につながります。とりわけ、「明確な基準を伴わない相対的な表現」あるいは「目安となる数値を示さない表現」を用いるのは避けるべきです。

曖昧表現のチェック項目
チェック項目とともに用例を整理しておくのが適切です。さまざまな文書で共通な用例と文書目的(例:報告書、製品解説)に応じた用例をまとめておくとさらに使いやすくなります。
曖昧表現の分類 |
チェック項目 |
要約例(一部省略) |
時間・程度が曖昧な語を使った表現 |
対象・程度、基点となる時間が曖昧な表現 |
概要/現在 |
適切な補足をせずに相対的な語で対象を修飾する表現 |
新/旧 |
形式名詞、連体詞、代名詞の多用 |
こと/この/これ |
曖昧性を含む接尾語の多用 |
-的 |
対象、状態を明確に特定しない表現 |
(省略) |
必要な語句のもれが疑問につながる表現 |
必要な修飾語(範囲、対象・程度・時期)の欠落 |
(省略) |
必要な主語、目的語、補語の欠落 |
(省略) |
係り先が曖昧な修飾語 |
連体修飾語と形容詞の連結 |
(省略) |
準体助詞「の」の連続 |
(省略) |
否定の繰返しと対象を特定しない否定 |
二重否定 |
-しないと、-しない |
部分否定 |
-のように-ではない |
曖昧な位置関係の表現 |
基準が明確でない相対的な位置関係 |
(省略) |
曖昧な指示 |
禁止事項もしくは必須事項が曖昧な
指示表現 |
(省略) |
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