

冗長表現のチェック
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文意に関係しないあるいは他の語と重複する冗長な表現(以下、冗長表現)は、読解を妨げるばかりか誤解につながる場合があります。冗長表現を省くあるいは他の表現に置き換えれば、より文意が明確になります。
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技術文書で陥りやすい冗長表現の分類
ここでの冗長表現とは、同じ語あるいは同じ意味の語が1文中で不要に重複する表現を指します。必要以上の強調によって文本来の主旨からはずれる表現も冗長表現に含みます。
冗長表現の一例−形式名詞(-こと、-ため)の多用−
形式名詞とは、それ自体に意味がなく連体修飾語(動詞・形容動詞の連体形)が付いて文あるいは文の一部になる語です。文を構成する語ですから、“あっても差し支えありません(もともとは必要な語)”が、現代文では多用しないのが通例です(例:-を変更することができます→-を変更できます)

冗長表現のチェック項目
チェック項目とともに用例を整理しておくのが適切です。さまざまな文書で共通な用例と文書目的(例:報告書、製品解説)に応じた用例をまとめておくとさらに使いやすくなります。
冗長表現の分類 |
チェック項目 |
要約例(一部省略) |
同義・類義の語が重複した表現 |
文意に影響しない二重の修飾 |
まず最初→最初 |
必要以上の強調あるいは誤解につながる強調 |
完全に一致→位置 |
現代文では意味に乏しい形式名詞 |
こと/もの |
簡潔な語に置き換えられる表現 |
語につく連語 |
ついて/おいて |
必要以上の漢語 |
存在する→ある |
冗長な文末表現 |
-であるものである/ている |
文の構成が原因の繰返し表現 |
1文中に同じ語が近くにある冗長表現 |
(省略) |
準体助詞「の」の連続 |
(省略) |
目的語、述語の重複 |
(省略) |
必要以上の敬語 |
接頭語「お」、「ご」の多用 |
(省略) |
文中および文末の尊敬表現・謙譲表現 |
(省略) |
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