

陥りやすい用語使いのチェック
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適切な用語を統一して用いないと、誤解あるいはわかりづらさの原因となります。技術文書では、とりわけ「事物の名称」、「動作」あるいは「操作」などの用語の統一に注意をはらう必要があります。
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陥りやすい用語使い分類
ここでの「陥りやすい用語使い」とは、用語の選び方(同義語、類義語)あるいは使い方(短縮語、複合語、外来語)によって読者が執筆者の意図と異なる理解をするおそれがある用語の使い方です。“社用文書”としての技術文書にふさわしくない用語使いおよび語本来の主旨からはずれる表現も含みます。
陥りやすい用語使いの一例−用語のゆれ−
同一対象(あるいは動作・行為)に別の語・表現を混用する習慣を「用語のゆれ」とよびます。技術文書のみならず実務文書では、読者の誤解につながるため避けるのが基本です。

用語使いのチェック項目
チェック項目とともに用例を整理しておくのが適切です。さまざまな文書で共通な用例と文書目的(例:報告書、製品解説)に応じた用例をまとめておくとさらに使いやすくなります。
陥りやすい用語使いの分類 |
チェック項目 |
要約例(一部省略) |
用語のゆれ(同義表現・類義表現の混用) |
同一対象の別表記 |
印刷⇔プリント⇔出力 |
違いが不明確な類義表現 |
(省略) |
和語と漢語の曖昧な使い分け |
変える⇔変更する |
曖昧・誤解につながる外来語、短縮語、複合語 |
必要以上の外来語 |
チェックする→確認する |
定義を欠いた短縮語 |
(省略) |
出現頻度が少ない短縮語 |
(省略) |
必要以上の複合語、誤解をまねく複合語 |
最終データ集計 |
複合語の形容動詞および複合語の動詞 |
データ変更する→**データを変更する |
技術文書にふさわしくない表現 |
通俗的な表現、 |
すぐに→ただちに |
文書目的にそぐわない技術慣用表現 |
CD-Rを焼く |
本来の意味を損なう述語 |
「人が主語」が基本の語を事物を主語にし
て用いた表現 |
製品が-を行う |
「人が対象」が基本の語を事物を対象にし
て用いた表現 |
製品に-をさせる |
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