初校校正-赤字入れ-


初校校正とは

先に「校正」を、校正刷と原稿を照らし合わせて修正すべき点を校正刷に赤字で記入する作業(赤字入れ)と、さらにこれを修正したものと赤字を入れた校正を照らし合わせて確認する作業(赤字合わせ)と述べました。

修正の赤字を入れたりする編集用の仮印刷物を校正刷と総称しますが、とりわけ製作担当者が原稿をもとにページレイアウトしたもの、すなわち最初に作成される校正刷を「初校」とよびます。この初校での校正作業をここでは「初校校正」とよぶことにします。


初校校正の基本(赤字入れ)

赤字入れの方法:ステップ1

初校校正は、「原稿」と「初校」を左右に見やすく並べて行うのが基本です。右手で赤字を入れるならば、左側に原稿を右側に初校を置くことになります。

赤字入れの方法:ステップ2

原稿の内容と原稿に入れた指定を見ながら、初校が正しく仕上がっているか確認し、もし間違っていればその箇所に赤字で訂正内容を記入します。

赤字入れの方法:ステップ3

赤字は製作担当者が明確に理解できる必要があります。訂正箇所(あるいは挿入箇所)から引き出し線を入れ初校の欄外に丁寧に記入します。


初校校正(赤字入れ)のポイント

初校校正のポイントとして次の2点をあげたいと思います。

赤字入れのポイント:その1「内容を読まない

校正で「内容を読まない」と述べると奇妙な印象を受けるかもしれません。しかし、初校校正は「原稿」と「初校」を照合して誤字誤植や組版体裁の誤りを見つけるのが目的です。内容を読んでしまっては誤りが見つけにくくなります。読むよりも「注意深く見る」つもりで校正してください。

赤字入れのポイント:その2「一度に複数のチェックをしようとしない

「一度に複数のチェックをしない」というのは、「文章の引き合わせをするときはそれだけをする」、「図番号の確認をするときはそれだけをする」ということです。文書の1ページはさまざまな要素(文章、図、ヘッダ、ページ数など)から構成されています。これらを一度にチェックしようとすると必ずもれが出てしまいます。


赤字入れが終わったら-基本体裁を確認しておく-

初校校正の基本は、初校と原稿を照らし合わせて修正すべき点を初校に赤字で記入する「赤字入れ」ですが、もう一つ「基本体裁の確認」という作業があります。つまり、原稿が適切にページレイアウトされているか出版物としての体裁を確認することです。直すべき点があれば赤字入れと同じ方法で修正を記入します。

初校段階でできるだけ問題点を洗い出しておくことが後の作業を円滑にするコツといえます。基本体裁の確認が終わったら手元控え用にコピーをとり、これには「正(控)」と明記します。赤字が入った「正」を製作担当者に渡して再校を依頼してください。


次ページに進む(ボタンをクリックしてください)

山之内総合研究所の出張開催セミナー

セミナー/コンサルティングFAQセミナー基本料金[抜粋PDF版]



テクニカルライティングセミナー
マニュアル作成の進め方とわかりやすいマニュアルのポイント
Copyright:Takaaki-YAMANOUCHI/2002-2010
山之内孝明/有限会社 山之内総合研究所
Takaaki Yamanouchi/ Yamanouchi Research Institute,Ltd.
 takaaki@yamanouchi-yri.com